そういえばハーマイオニー
ハーマイオニーの事をすっかり忘れていた。
ハーマイオニーの事を忘れまいと決めていたのに忘れてしまうなんて時間に急かされて生きてしまっている証拠だ。
もっと心にゆとりを持っていられるようにしないとダメだ。
公開当時あれだけ騒がれていたのに自分はハリーポッター映画を一作品としてフルで見た事がない。地上波で放送されていたのをたまたま観た事はあるけども、最初から最後までちゃんと観たわけではない。もろちん本を読んだ事もない。
でもハーマイオニーがなんなのかは知っている。
『ハーマイオニー』
はじめてその言葉を耳にした時、なんて可愛らしくて素敵な名前なんだろうと感激した。
なんていうかこう…メッチャふんわりしてて、とろけちゃいそうなほどなめらかなハチミツみたいな。
ハチミツを連想してしまうのは『ハー』のところだと思うんだけど。
まろやかなクリームのようなあまーい感じがハーマイオニーの語感にはあるように思う。
なんだろう…この『ハーマイオニー』という言葉の響きにうっとりしたくなる余韻は。
作品の中の登場人物の名前だけに留めておくのはもったいないくらい良い響きじゃないだろうか。
はじめてハーマイオニーと聞いた時、なぜだかフレンチトーストが思い浮かんだ。
しかし、ただのフレンチトーストじゃない。
男だけじゃまず入らないカフェで頼めそうな、シロップとかクリームとかたっぷり乗っかってて、それにイチゴとかベリー系の果物が散りばめられてる上にパウダーシュガーふりかけてる豪華版のやつ。
こういうやつが頭に浮かんだ。
こういうの食べた事ないけど、きっとすごく美味いんだろう。
ただこのフレンチトーストの中でも、口に入れた時に色んな味が渾然一体となってハッ!とするような絶妙な美味さを感じる部分ってあると思う。
鮭のハラスでもとくに油がのった旨味の部分があるように。
そういう美味いものの中でも、この部分はとくに最高!って所に当たった時の言葉を『ハーマイオニー』にしたい。
『うわ、これウマ、今んとこ絶対ハーマイオニーだったわ』こんな風にしたい。
慣れてくると略して『マイオニー』でもいいだろう。
イントネーションは先生に『さよならー』って挨拶する時と同じマイオニー。
マイオニーじゃねぇ?てな感じ。
ポテトチップのコンソメパンチ食べてても、とくに味が濃い所が当たりだと思ってる人は、それマイオニー。
マックのポテトの塩が濃かったり、小さめのカリカリした部分の方が好きな人は、それマイオニー。
もんじゃの焦げ方が最高のところも、あれマイオニー。
美味しいものの中に偶発的に存在する味覚によって分かれる刺激。それがマイオニー。