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キャンプホリックの一人話談

街を走り、山を登り、キャンプして遊ぶ、の巻

イタ飯

今から15年ほど前の事、俺は料理の勉強がしたいと思い、知り合いに紹介してもらったうどん居酒屋でバイトしていた。

オープニングスタッフとして入り、ランチタイムから居酒屋営業の時間まで通しで働いた。

そこで仲良くなった同い年のバイトの小松くんと音楽の話で盛り上がり、彼のバンドには今のところギターがいないと言う事で良かったらどうかと誘われて、俺はそのバンドでギターを弾く事になっていった。

 

そんなある日。

小松くんはバイトを掛け持ちしていると話をされた。

そうなんだと思って、もう一個は何をやってるのか聞いたら、彼は『いためし屋』だと言った。

 

俺は『いためし屋』が何か分からなかった。

分からなかったけど、俺の頭の中で『いためし』という文字が瞬時に『炒飯』に変換されて

なるほど。炒める飯で『いためし』か。

小松くんは中華屋でもバイトしてるのかと自分の中で納得していた。

小松くんはハンサムでとてもスタイリッシュなイケメンだったので、中華料理屋をバイト先に選ぶなんで意外だなと思いつつも、中華屋の事を『いためし屋』と言うなんて、やっぱシャレてるね〜と感心したのをハッキリ覚えている。

 

小松くんが掛け持ち先の中華屋のバイトの話をした中で、名探偵コナンの作者の青山剛昌がよくうちの店に飯食いに来るんだよ、とも言っていたので、そうか、青山剛昌は昼飯によく炒飯を食うんだなって俺は思ったりもしていた。

 

それがいつ、どんなきっかけで『いためし』イコール『イタ飯』だと発覚したのかまでは覚えていないが、その時はとにかく笑われた。

たぶん話のどっかで中華とイタリアンが食い違って、それこそ食い違ってたわけで俺の勝手な勘違いが明るみになったんだろう。

『そんなわけねーだろ!笑』と笑われたけど、イタ飯ってそんな浸透してる言い方なの?って思ったし、それより俺の頭の中では、じゃあ青山剛昌も炒飯じゃなくてパスタ食ってたのか、とか色々と炒飯からパスタへの転換が駆け巡ってた。

まあ、爆笑を取れたから良かったんだけど。

 

それにしても。

最近でもイタリア料理の店をイタ飯屋と言う人がいるんだろうか。

イタリアンのイメージをダサくする言い方に感じるのは俺だけだろうか。

『イタ飯』

なんか、イタリアンの落ち着きながらも楽しげな心地よいムードをジャパニーズダジャレテイストがバッサリと掻っ捌いてやしないか。

イタリアンってパスタやピッツアを食べながらワインやモレッティとかのビールを飲んだりするんだけど、それってイタ飯なのか?

彼女の誕生日をお祝いするために、イタ飯屋のディナーを予約するのか?

いっそ、炒める飯で『いためし』って事にして、中華屋を『炒飯屋』って言った方がよくないか?

 

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