mountribalcamper

キャンプホリックの一人話談

街を走り、山を登り、キャンプして遊ぶ、の巻

たまにはロマンチックに

僕は妻に『愛してる』と言った事がない。

自分から好きだと言った事もない。

それでよく婚姻が成立したなと自分でも思うが、これで夫婦生活は円満だから見事なものだ。

休みの日はいつも二人でいるし、結婚してから今日まで一緒にいなかった日は、友達とネパールに旅行に行ってた5日間と車中泊で登山に行ってた日以外に記憶にない。

それ以外は夕飯も毎日一緒に食べているし、どこに行くにも何をするのも一緒だ。

妻の事を自分より大切に思っている。

僕は自分よりもゾウを大事に思っているが、妻はゾウよりもっと大事だ。

 

願い事をしながらローソクの火を吹き消すとき、僕はいつも『自分の事を好きだと思ってくれる全ての人達の幸せ』を祈るんだけど、自分が幸せにしたい人の幸せは自分で叶えるものだから祈った事なんか一度もない。

 

僕が仲良くなる奴は決していい人間ばかりじゃない。嫌な奴だなと思う奴もいる。それでいいと思ってる。

良い奴じゃなくても面白い奴と話をしてた方が好きだし、面白けりゃなんでも良いってわけじゃないが、話の内容や発想が面白い奴と一緒にいると自分の意識にも自覚した事がなかった新しいスイッチみたいなのが入る時があって、それがとても刺激的で面白いと思う。

だけど、妻と話してる時以上に爆笑する事はまずない。

 

僕は自分以外の人を差別しない。

どんな言葉を話す人でも、どんな宗教の人でも、どんな外見の人でも、それだけで差別したりは決してしない。

でも妻だけは差別する。彼女以外どうなってもいいから、僕の妻だけいつでも心から安心して笑っていられる世界であってほしいと、極端に考えればそう思う事だって出来る。

平然とそう思えるのは紛れもなく差別だ。

 

僕は僕の好きな事が好きだ。

レーニングが大好き。ランニングで心と体を鍛えるのは歯磨きと同じくらい普通の日課だし、山登りも大好きだから日本中どこだって行ける。キャンプに関しては自分の人生でこれ以上楽しい事はないってくらい好き。子供の頃からずーっと好き。

でも大好きな山登りもキャンプも一人でするより妻と一緒にしてる方がずっと好きになった。

 

愛ってのはご飯を美味しくしたり、日常の不満を爽快にさせたり、なんだか楽しい気持ちにさせたり、自分の事よりその人のためになにか…と思わせたり、弱さが強さに、強さが弱さになってしまったり、まったくもって自分じゃ制御できない掴み所のない内なる感情ではあるんだけど、それでも手にしていられないと寂しくなっちまうのが人間ならば、バレンタインデーは1日過ぎてしまったけど、たまにはロマンチックに妻に愛でも伝えてみようか。

愛してるとは言わないだろうけど。